ロシアがデフォルトすると言われているけど,法的にはどうなの?とある海外の企業法務の方に聞かれた。公平公正,主観を入れない客観的な視点という事でわたしにはこういう話がよく振られてくる😊
この問題のロシアやアメリカなどは,日本とは違うけど日本の場合をあてはめて考えてみる。さて,ロシアの主張は「米英がいうデフォルトではない」と主張しているようだ。
この争いに似たような法律が日本の場合にはある。民法では『弁済の提供』というのがあるの。
これは,債務者が期日の到来をもって債務を弁済するために債権者の所へ行ったんだけど,債権者がこれを受領しないので期日の到来の日に債務の履行ができない場合に『弁済の提供』として「債務不履行責任は負わない」ということになる,つまり「弁済したのと同様に扱われる」の。
実際にはこの『弁済の提供』,現実の提供と口頭の提供の2種類で,債権者がなかなか受領しない等であれば,簡略した口頭の提供で足りるんだけど,でも,頑固すぎたり強引に避けるような非協力的な態度で有れば口頭の提供さえ不要になる。
口頭で足りる。それでも債務不履行責任は負わない。質問された事案はロシアが債務をルーブルで返済しようとしてるけど債権者米英企業?が受領しない場合だけど,日本にあてはめて考えると確かにデフォルトという債務不履行とは呼ばないかもですね(笑)
「もはや価値のないルーブルで払おうとしているのはどう?」と聞かれたけど,何で弁済するかのそれは双方の契約の内容によると思うけれど,ルーブルだろうがレートの価値は当該国の政府の定めたレート。
あくまでもレートはその国のもので,今回のように,制裁した側がルーブルをドルに交換しないと決めてしまったのは協議や合意形成を経ないでそれをした受け取る側なので,その辺の事情は採用しにくく日本の民法で有れば弁済の提供にほかならないと思います。
まあそれでもロシアの資源は金,化石燃料からレアメタル,食糧まで豊富なのでルーブルの価値はそれと交換できる程度の実力はあると思うなあ。
まあ米英EU諸国に何かウルトラC技があるならね!