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実物証拠写真!フェイクレビューに頭を悩ませるアマゾン。事件の顛末「匿名の鍵を開く」。

(写真、アマゾン商品レビュー上の実際の誹謗中傷例の証拠写真、後に別件起訴有罪)

 ネット通信販売最大手のアマゾン、商品を買う前に参考とするレビューはネットショッピングではありがたい機能だ。商品ページには星マークが5つ並んでいる。この評価は一目で商品の優劣がわかりやすく、星の数が多いとなんとなく安心し、逆に少ないと不安になる。

 しかしながら、よく読めば変な文法の日本語や日本では使わない漢字もあるし、発売したばかりなのにあまりにも評価が多い。いわゆる「サクラ書き込み」ではないかと疑いたくなる怪しいレビューもよく見かける。

 レビューは本当か?商品を買わせるための嘘?それともライバル叩き?フェイク(サクラ)レビューなどと考えたことありますか?筆者は慎重派。こういった口コミ情報は半信半疑、あまり信じない。

サクラ書き込み業者サイトの存在!

 BBC Which?の調べによると、アマゾンの出品者向けにインターネット上で「高評価のレビュー」を販売するサイトが複数確認されているという。これらは「実際に商品を使って試した正直な感想」をレビューとして投稿するのではなく、「出品者の意向に沿ってレビューを投稿」する、いわゆる完全な「サクラ・レビュー」が横行している可能性を示す。

 話によると、10数件余りのレビュー代行サイトが確認され、なんと70万人以上の偽レビュワーが高評価を行っている可能性があるともいわれている。偽レビュー1件あたり数百円程度の報酬や割引キャンペーン、対象商品の無償提供などの報酬が、対価として付与される仕組みともいわれているのは驚きだ。

 70万といえば多めのツイッターのフォロワー数にも近い。余談だが、ツイッターのフォロワーやRT、いいねにもこういった手法(サクラ)ものがあるらしい。

 2019年2月には、商品評価の★マーク、アマゾンでの評価が「星5つ」になるようにサクラ書き込み(以下、「フェイクレビュー」という)を斡旋業者に依頼したサプリ業者を、FTC米連邦取引委員会が初の提訴に持ち込んだことを発表している。

アマゾン社の誇る99%削除のレビュー事前検知システム?

 先月16日、AMAZON公式ブログは「フェイクレビュー」問題の現状につき、「2020年で年間2億件以上ものフェイクレビューが寄せられ、(このとんでもない数の)疑わしいレビューが顧客(カスタマー)の目に触れる前に「阻止」した(*99%以上がアマゾン社の事前検知システムにより削除)」と報じた。

 フェイクレビューが年間2億件とは恐ろしい数だが、テッククランチと言うサイトが計算したところによると、アマゾンにはおよそ5億2,000万件超の年間レビューがあるという。

 アマゾンの発表が2億件のフェイクレビューとして、排除されている不正レビューの数はおおまかにレビュー全体の約4割にも上ることになる。これはすごいことだ!

 2020年9月、アマゾンはCNBCに、「強力な機械学習のツールと熟達した調査担当者が毎週1,000万件を超すレビュー投稿を分析し、公開前に悪用を阻止する取り組みをしている」とも述べている。

 また、フェイクレビューの阻止に加え、関与したアカウントのレビュー投稿の削除や投稿停止の措置、さらにはレビュー悪用のための不正アカウント販売業者の取り締まりまで取り組んでいると伝えている。

 これら対策は2015年頃からのフェイクレビューの投稿者や斡旋業者などを提訴する法的な対抗策も進め、翌年から提訴など強力な司法手続きを追加したガイドラインを発表した(アマゾン公認レビュアー以外の報酬付きのレビュー行為の禁止も発表)。

独自スクープ!アマゾン商品へのアーティスト中傷レビュー

 本記事中の写真は日本のアマゾンレビュー。商品は筆者の歌でありいわゆる商品レビューである。

 ★は低評価と高評価しかない。レビュー内容には、音楽レビューというより、「おじゃる丸といえば」「おじゃる丸を首になった」「NHKから解雇通知を受けた」などいずれも「NHK」「おじゃる丸」に終始関連した内容である。

(写真は中傷行為で削除された証拠の1部)

 レビューの書き込み時期は「2015年」頃の話で、前述の通り米国アマゾンがフェイクレビューへの法的な対抗策を進めた時期と重なる。

 この頃は、上記のようなNHKおじゃる丸など共通した内容の名誉毀損、中傷書き込みが複数サイトで発見されたおり、筆者の音楽商品のレビューにあった中傷書き込みもアマゾンレビューの不正利用(ある目的のためにするフェイクレビュー)の一つだ!

 当時は「嫌がらせもついにこんなところまで来たか!」と思ったが、もう一度TOPにあるメイン写真を見て欲しい。書き込み者の「他のレビュー一覧」である。

 筆者に対するもの以外に中傷レビューはひとつもなく、レコード会社、アニメ作品等が沢山並んでおり、声優の楽曲に、「素晴らしい歌声」「最近ではTV番組**に出演している」「収録曲名」など特にアニメ推薦話などの営業的な書き込みが多い。

削除では済まさない、やり得を許さない態度が必要!

 レビューは単なる中傷というよりも、名誉毀損もしくは営業妨害である。他人の社会的地位を低下させる内容である。「おじゃる丸をクビになった」「NHKに多額のロイヤリティを請求して解雇」のような、演じた役と乖離する本人のイメージは俳優にとって致命的だ。

 ワイドショーや週刊誌などで取り上げられる、不倫やひき逃げ、麻薬関連のスキャンダルなどで転落していく芸能人をを見ればわかると思うが、役柄と俳優の身体を切り離すのはなかなか難しく、俳優の降板や損害賠償、作品の再編集など様々な問題が生じる。

 声優の仕事はそこまでのイメージを求められることはほとんどないにしろ、筆者自身としては、NHKという「公共放送」の「子供番組の主役」という責任感は強く感じていたし、他の作品においても自分の役どころは清潔なイメージのものが多く、俳優としての本人像は大切であったし、なによりも一人の人間としての誇りを持っていた。

 あなたなら「多額のロイヤリティを請求して解雇」などとレビューに書かれているアーティストのCDを聞いてみようなどと思うだろうか?楽曲が良ければ関係ない話ではあるが、自分がユーザーの立場なら、なにかしら悪いイメージが片隅にすり込まれると思うし、聞いていて心地の良い気分ではないかもしれない。

商業活動の妨害レビューは、いわゆる「サクラ」である。

 筆者のことはともかく、こういったレビューを横行させてはいけない!これからの時代の商業活動はネットが切り離せないのは当然で、アマゾンなどの大手通販サイトだけでなしに、小売店の独自のサイト、飲食店の評価サイト、口コミサイトなどから「見えない攻撃でライバルの評価を低下させる手段」に対抗する手段はないかだろうか?

 そこでまずアマゾンのカスタマーサポートに対し、これらレビューの名誉毀損書き込みの削除要請をしてみた。当然名誉毀損かどうかの理由と根拠をもってこれをするのだが、法運用の技術的なものは悪用する人が出てくるため詳細は省くが、「名誉毀損の事実、社会的評価を下げる書き込み、営業行為の妨害」等の内容は、アマゾンが充分認識したようで、削除完了書面の知らせが封書で届いた。

 レビューが、「営業活動を行わせないといった明確な意図」が読みとれる事から、筆者を中傷する人物が「依頼されたサクラ書き込みか単なる個人的なもの」かどうか、つまり、業界関係者が、「対価を得て中傷書き込みをしている」かどうか、「対価を求めるために書き込んだ」ものかどうか、など諸々調べる必要があった。これはフェイクレビューの目的を知るためには重要なことである。

 アマゾン等の商売は信用第一、当然不名誉なことはあってはならない。金員を発生させレビューを書いたりするものがいて、それを好きなようにさせていたり、知っていながら放置したなどの事実が発覚したら会社存続の危機である。

フェイクレビュー事件の顛末「匿名の鍵を開く」。

 筆者はまず、アメリカ本社にも手紙を送り、この名誉毀損レビュアーという人物が一般人でなく、業界関係者であった場合の重大性は大きいと主張した。しかもアマゾンが得意とする本、CDなどのカテゴリーでうごめく「プロ偽レビュワー」の可能性も否定できないと指摘した。

 匿名だと思ってやりたい放題できると思ったら大間違いだ。なにかの悪戯のように突然、大きな鍵のかかったパズルが解けることもある。この男性の生活などについて筆者は全て把握できた。レビュー如きと思わぬ方が良い。行く末は匿名の鍵は開かれ、起訴され有罪となり、それ相応の社会的責任は負わなければならない。

 ネット書き込みは消そうとしても中々消えない。裁判が終わり、犯人が起訴有罪となって久しい筆者が「未だに過去の人間」とされている以上、名誉毀損、誹謗や中傷の責任の重さをいつまでも社会のために啓蒙しなければならない。

 たまたまアマゾンの話題が多い昨今だったが、今度は別なものであなたの「匿名の鍵を開く」ことにならないよう。社会人として責任をもった行動をするなど注意していただきたい。

小西寛子: 小西寛子(声優・シンガーソングライター・司会・執筆)1975年埼玉県川越市生まれ、その後湘南、神奈川県平塚市で育つ。幼少からフルートを学び、相模女子大短期学部で造形、その後中央大学法学部卒。まったり声など独自のオリジナル声NHKおじゃる丸、逮捕しちゃうぞ、ドクタースランプ、浦安鉄筋家族、すごいよ!!マサルさん、デジタルモンスター他多数のアニメ、ゲームからTVバラエティー、CMまで、主演や主要キャラクターとして多数出演。自ら企画全構成を担当する番組・産経デジタルのiRONNA小西寛子のセカンドオピニオンや執筆活動の他、法知識を生かしたコメンテイターとしてTV番組にも出演。道徳、教育、幼少期からのエクゼクティブスキル私塾。刑事告訴状起草から民事手続全般(仮処分〜執行・差押え)本人自ら手続きする豊富な知識。ま特技としてはアコースティックギターなどのレストア、趣味のオートバイレストアや修理・改造、トライアル、トライク(3輪オートバイ)からスノーモービルまで所有、乗り物をこよなく愛す。