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小山田圭吾氏の辞任、メダルのない終曲。

(写真:文化庁内のエレベーターに張られたポスターと筆者)

 1994年1月発行の雑誌「ロッキング・オン」などに掲載されたインタビュー記事で、いじめをしていたと明かしていた過去の記事が大きな批判を浴びた小山田圭吾氏(52)、ANALOGシンガーソング編集部も7月17日付けで「小山田圭吾氏のいじめ記事問題で一考。汚れたおしりも散らかした部屋も片付けない大人たち。」と題して記事を掲載した。

 この小山田圭吾氏について、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は19日、五輪開会式で楽曲を担当する同氏の辞任を発表した。辞任理由は、同級生をいじめていたとする過去の雑誌インタビューなど一連の騒動を受け、小山田圭吾氏サイドから辞任の申し出があったとの由。

 組織委を取材する新聞各紙によると、JOCは小山田圭吾氏にこれまで続投を維持していたが、批判の高まりを受けこの辞任を受け入れたとのことである。

 本件について小山田圭吾氏は同日19時頃、自身のツイッター(@corneliusjapan)を通じ「この度(中略)私がご依頼をお受けしたことは、様々な方への配慮に欠けていたと痛感しております。関係各所にて調整をさせて頂き、組織委員会の皆様へ辞任の申し出をさせて頂きました」などと説明文を掲載した。

 これまでの経緯の中で、16日には謝罪文を掲載する一方で、開会式の楽曲担当を続ける意向を示しており、それに対し、組織委の武藤敏郎事務総長も17日、続投の意向を示していたが今回、急展開の辞任劇であった。

 国際的なオリンピック競技であり、しかも、障がい者の参加するパラリンピックでの小山田氏の楽曲については海外からの批判も多く、編集部としても、謝罪だけでなくしっかりと責任を取るなどしつつ、早期解決の必要性を訴えてきたが、本日の辞任を受けて今後の動向を待ちたい。

 ところで、今回の辞任報道がなされて間もなく、目を疑うようなツイートが目に入った。

いとこの田辺晋太郎氏のツイート(削除済み)

はーい、正義を振りかざす皆さんの願いが叶いました、良かったですねー!

 このツイートは、筆者も醤油メーカーの商品監修の広告などで見かけたことがある田辺晋太郎氏(@tanabeshintaro)のものである。そして、なんと同氏は小山田圭吾氏とは親戚関係にあるという。

 「責任を取って辞任」という、一先ず大人のケジメをつけた小山田氏の行為に水を差すような、この“逆ギレ”の常軌を逸したツイートは、小山田氏の親戚という近しい関係からも小山田氏自身にもマイナスなイメージを与えたことであろう。

 また、編集部は先週、小山田氏の出演したEテレの音楽監督であるゴンドウトモヒコ氏(@gondotomohiko)が、小山田氏が謝罪文を出した際に、「偉いよ小山田くん。受け止める。いい音出してこう!!!!!寧ろ炎上なんか〇〇喰らえ。」とツイートした件に関しNHKに取材質問を送っている。返事はまだないが、回答が届き次第続報する。

ゴンドウトモヒコ氏のツイート(削除済み)

 昨今、失言で謝罪会見という場面をよく目にする。前後の文脈を無視した「言葉狩り」や「揚げ足取り」のような過剰なものや酷く事実を歪曲するものもあるが、これらツイートには文脈や諸般の事情を考慮する余地もない。田辺氏のツイートが小山田氏の気持ちを代弁していると受け取られれば非常に不本意だろう。そう思われないように、スタッフや周囲も気を配るなどされたい。

小西寛子: 小西寛子(声優・シンガーソングライター・司会・執筆)1975年埼玉県川越市生まれ、その後湘南、神奈川県平塚市で育つ。幼少からフルートを学び、相模女子大短期学部で造形、その後中央大学法学部卒。まったり声など独自のオリジナル声NHKおじゃる丸、逮捕しちゃうぞ、ドクタースランプ、浦安鉄筋家族、すごいよ!!マサルさん、デジタルモンスター他多数のアニメ、ゲームからTVバラエティー、CMまで、主演や主要キャラクターとして多数出演。自ら企画全構成を担当する番組・産経デジタルのiRONNA小西寛子のセカンドオピニオンや執筆活動の他、法知識を生かしたコメンテイターとしてTV番組にも出演。道徳、教育、幼少期からのエクゼクティブスキル私塾。刑事告訴状起草から民事手続全般(仮処分〜執行・差押え)本人自ら手続きする豊富な知識。ま特技としてはアコースティックギターなどのレストア、趣味のオートバイレストアや修理・改造、トライアル、トライク(3輪オートバイ)からスノーモービルまで所有、乗り物をこよなく愛す。

コメントを見る (1)

  • 田辺氏は小山田氏がせっかく片付けた物をひっくり返し台無しにしたに等しいですね。