ウインカー左右が同時に点灯する!? 電装トラブル完全修復レポート
こんにちは小西寛子です。今回のモンキーは、AB27の2000年モデル。わたしはこれまでに4L(JAZ)、30周年モデルなどボロボロから完全修復してきましたが、今回も結構な物でした。
引き上げ前から前オーナーさん、さらにその前のオーナーさんまでが「原因不明」として投げ出していた車体です。とはいえ、50ccが廃止されつつある中、モンキー(キャブレター)のUSED価格は新車並みに高騰していますから大切にしていきたい一台です。



症状の内容
まず最初に出ていたトラブルがウインカーの点灯不良。例えば——
- 左ウインカーを点滅させると(右でも)、左F(右Fも同様)は明るく点滅するが、右Fとリア左右も「ぼんやり光る」
- リアでは、本来左L(R)だけが点滅するはずなのに、反対側のFとRの左右どちらも薄く光る
- リレーを外すと全点灯が消える(チェック)ちなみにリレーは正常です。
点検と修復の手順
1. スイッチの分解とオーバーホール(ついでにオーバーホール)
スイッチ内部は接点曲がり有り。ひび割れ部分はプラリペアで補強し、ON/OFF・左右(橙線・空色線)のショート無しを確認。接点用他バネ、接点、ベアリングを洗浄し、グリスアップ、クリック感のあるしっかりしたスイッチに復活しました。(ウインカースイッチは新品部品がもう何処にもないので大事にしたい部品です)

ちなみにウインカースイッチの中はこうなってます。固着して丸い玉とスプリングなどがくっついていました。スイッチは左右硬い状態で接点は黒くなっていました。分解は自己責任でお願いします。サビを専用液で落とし、これを接点側も綺麗にしてから組み込みます。


2. 配線ハーネスのチェック
配線図と突き合わせて確認したところ、ちょっと違う☺️。なんと前期型ハーネスが流用されていました。これを2000年仕様に修正し、途中の継ぎ足しや支線を整理。これで正しい電気経路が復元。

3. アース(GND)ポイントの見直し
古いバイクで特に多いのが「アース不良」。ウインカー接続部やリアのアース抵抗を測定したところ、フロントアースポイント(私のはホーンを止めるネジ)は1.6Ω、リア1。8Ω以上もあり、これが“薄く光る”原因でした。フレームとアース部をワイヤブラシで研磨し0.1Ω以下に。特にリア左側の取り付けボルト下(ナンバー一体型アッセンブリ部)を徹底清掃。結果、ウインカーは完全復活!
その他の整備ポイント
このモンキーには以下の欠品やもありました:
- サイドスタンドスイッチ欠品
- 速度警告リレー不良
- バッテリーレスだった。
- Nランプ不点灯
中古・新品在庫を探して一つずつ復旧。電装系全体が安定し、エンジンも非常にスムーズに動作するようになりました。
古いモンキーはパーツの互換流用や改造が多く、「前期配線+後期ボディ(その逆も)」のような混在個体も珍しくありません。一見ウインカーリレーやバルブが原因に見えても、真の原因はアース抵抗や誤配線であるケースが多いです。同じようなトラブルで悩んでいる方は、① アースポイントの抵抗測定(0.1Ω以下)②ハーネス型式の確認を最初にチェックしてみてください。
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