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生活が苦しいのは私たちだけなの? 数字が語る現実
「給料は上がらないのに、物価はどんどん上がる。税金も高いし、生活が苦しい・・・」
こんな声を、最近よく耳にしますよね? 2025年現在、日本の多くの国民が感じているこの苦しみ。国際通貨基金(IMF)の2025年2月の報告によると、日本のインフレ率は日本銀行の目標である2%を超えて2年以上が経過していますが、実質賃金は下がり続けています。
厚生労働省の2024年賃金構造基本統計調査(速報)では、2023年の実質賃金指数が前年比2.5%減と、3年連続でマイナスを記録しました。つまり、私たちの暮らしはますます厳しくなっているのです。
さらに、国民生活基礎調査(2023年)によると、相対的貧困率は15.4%で、特にひとり親世帯の貧困率は48.3%に上ります。子どもの7人に1人が貧困状態にあるという現実。生活保護受給者数は2024年時点で約205万人(厚生労働省)と、依然として高い水準です。
一方で、大企業や富裕層はますます儲かっているように見えます。政治家やその周辺の人々も、豪華な生活を送っている姿が目に付きます。なぜ、こんな不公平が起こっているのでしょうか? その答えは、私たちの税金の使われ方と、日本政府がアメリカとの関係で取っている姿勢に隠されています。
消費税は本当に社会保障に使われているの? 大企業への還付金の現実、知ってますか?
「消費税は社会保障のために必要」と、政府は繰り返し説明してきました。2019年に消費税が10%に引き上げられたときも、「高齢化社会を支える財源」と強調されました。でも、実際はどうでしょう?
国税庁の2023年度データによると、消費税の総税収は約23.5兆円。そのうち、輸出企業への還付金として約4.5兆円が支払われています。これは、消費税総額の約19%に相当します。日本の税制では、輸出品には消費税がかからない(0%課税)ため、輸出企業が仕入れで支払った消費税が還付される仕組みです。たとえば、トヨタやソニーのような大企業は、海外に製品を輸出する際に、仕入れで払った消費税を国から返してもらえるのです。
2022年の調査では、税務当局が還付を適切に管理できていないケースも報告されており、1億円以上の免税購入を行った57人の外国人訪問者のうち、56人が日本で商品を転売し、18.5億円の未納税が発生した事例が挙げられています。
私たちがスーパーで買い物をするたびに払っている10%の消費税。そのお金が、国民の社会保障に全額使われるどころか、大企業を潤すために使われているとしたら、どう思いますか? しかも、消費税は貧しい人ほど負担が重く感じる「逆進性」の高い税金です。
生活が苦しい人ほど、消費税の影響を強く受けます。国民生活基礎調査(2023年)によると、年収200万円未満の世帯の消費税負担率は約8.2%であるのに対し、年収1000万円以上の世帯では約4.1%と、半分以下です。こんな不公平な税制で、私たちの生活が守られていると言えるでしょうか?
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大企業は税金を払っていない? 法人税の不均衡って何?
さらに驚くべきことに、大企業の中には、ほとんど法人税を払っていない企業も多いのです。内閣府の2000年代初頭のデータでは、資本金1億円以上の大企業のうち、約30%が赤字を理由に法人税を納めていませんでした。これは、税制上の控除や繰越欠損金の利用など、企業が合法的に税金を減らす仕組みがあるからです。
2024年の税制改革では、大企業が賃上げを7%以上行えば、法人税の25%を控除できる制度が導入されました。また、AIやグリーン分野への投資をすれば、最大40%の法人税控除が受けられる優遇措置もあります。これらは一見、経済を活性化させるための政策に見えますが、恩恵を受けるのは主に大企業です。
中小企業や、そもそも税金を払う余裕のない企業には、こうした優遇はほとんど関係ありません。財務省の2023年度データによると、法人税収は約14.6兆円ですが、大企業の優遇措置による減税額は約2.3兆円に上ると推定されています。
一方で、私たち国民は、給料から所得税や住民税、社会保険料をしっかり取られています。国税庁の2023年度データでは、所得税収は約21.8兆円、住民税収は約15.2兆円です。なぜ、大企業は税金を減らしてもらえるのに、私たちは重い負担を背負わなければならないのでしょうか?
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日本政府はアメリカを「金儲けの対象」にしているの? 貿易収支の現実
ここで、もう一つ大きな問題があります。それは、日本政府がアメリカとの関係を通じて、大企業や富裕層の利益を優先していることです。
アメリカのトランプ大統領は、2025年4月にこんな声明を出しました。「日本はアメリカを利用して、貿易で不当に儲けている。関税を上げてでも、この不公平を正す!」 トランプ氏が問題視するのは、日本がアメリカに自動車や電子機器を大量に輸出して貿易黒字を稼いでいることです。
2025年2月の貿易統計(tradingeconomics.com)によると、日本の対米貿易黒字は5845億円に上ります。米国務省の2023年報告では、日本はアメリカにとって5番目に大きな貿易相手国で、米国への最大の外国直接投資(FDI)提供国です。2021年時点で、日本の対米FDIは7210億ドル(約100兆円)に達し、過去10年間で2倍以上に増えています。
日本政府は、輸出産業を支えるために、さまざまな優遇政策を続けています。消費税の還付金もその一つですが、2024年にはAI関連の特許収入に対して30%の所得控除を認める「イノベーションボックス制度」も導入されました。これらの政策は、大企業がアメリカ市場でさらに儲けるための後押しです。
しかし、その裏で、私たち国民はどうなっているでしょう? 生活が苦しい人々への支援は後回しにされ、税負担は増えるばかり。トランプ氏が言う「日本はアメリカを利用している」という言葉は、実は日本政府や大企業がアメリカ市場を「金儲けの場」として利用していることを指しているのかもしれません。
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参議院選挙も近い!私たちの生活を守るために。声を上げよう
私たちが払った税金が、大企業や富裕層をさらに豊かにするために使われている。アメリカとの関係を通じて、日本政府は国民を犠牲にしてでも大企業の利益を優先している。この現実を、私たちはもっと知るべきです。
生活が苦しいのは、私たちの努力が足りないからではありません。税金の使われ方や、政府の優先順位が間違っているからです。財務省の2023年度データによると、一般会計歳出のうち、社会保障費は約36.1兆円ですが、公共事業費や経済協力費など、大企業や政府の利害に関わる支出も約20兆円に上ります。
消費税の使途を透明にし、大企業への優遇を見直す。中小企業や低所得者への支援を増やし、格差を減らす。こんな当たり前のことを求めるために、私たちの声を政治に届けなければなりません。
日本政府、石破茂首相は、アメリカとの関係を見直し、国民の生活を第一に考えるべきです。トランプ氏の圧力は、私たちにとってチャンスかもしれません。アメリカとの関係が「金儲けの場」ではなく、国民全体が豊かになれる関係になるよう、変えていくきっかけにできるはずです。
ガソリンだってほとんど税金、私たちの生活を良くするのは、私たち自身の力です。今日からでも、一緒に声を上げて、税金が正しく使われる社会を作りましょう!
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