小西寛子・作品詞集(詩集)

 シンガーソングライター小西寛子としてのアルバム外の詞作品集(詩集)を紹介します。優しさから始まり、人間社会への風刺、皮肉かも知れませんありでとても深い詞(詩)です。あなたにはいくつ、小西寛子の深い心の存在が発見出来ますか?*ご自身の弾き語りの詞でご利用される場合、引用先、作詞者名の表記をお願いいたします。

『反逆』小西寛子

山に登る道は次第に狭くなる
川は河口に向かうほど広がる
沢山の人々が流れに身を任せ
君も自然と海へたどり着く
流されていけば楽
背を向ければ細々とした道
だけどわたしは山へ向かう


『傘の染み』小西寛子

汚れた雨に傘をささない人
この社会の空模様
汚い雨なんかには
あたりたくない
傘をさして 心の中を晴れにして

何時も笑ってる


『ブラウン管』小西寛子

掃除でも取れない シミ
画面の汚れたテレビ
古臭いテレビ
昔は観れたけど
アナログの終わりと共に
置物になった
テレビらしいテレビ

拭いても取れない シミ
何も映らないけど
もういらない
中身が汚いテレビ
置物の方がマシな
テレビじゃないテレビ

中々捨てられない
置物になった思い出のテレビ


『白露』小西寛子

秋の夜空を見上げ
恥ずかしがる月
遠すぎて会えなくなった
あなたかな
雲に隠れて
今日の日を過ごす

まあるい笑顔は
スケッチブックに
描き留めてあるから 今は
それだけを眺め
優しさと儚さが滲む
少し悲しい物語

目を閉じて空を眺める
わたしを照らす月 光のない町で
わたしを照らす月 心の中に


『柄杓峠』小西寛子

疲れたら
ここらで一休み
座るところを
くるりと見渡して
道端の切り株に
腰掛ける
道ゆく人もない
柄杓峠

悲しみを
背中に背負いながら
歩き続ける 
旅人は何を思い 何を
求めるのか
渇いた喉と心
足を止める
柄杓峠

旅行く人が大事なものを
掬うはずの柄杓峠


『やけど』小西寛子

曲がってしまったやかんの口
お湯を沸かすたびにやけどしそう
沸騰する前に火を止めないと
いけないやかん

沸騰すると手がつけられない
止まらない蒸気機関車
ピーピー鳴って
熱いお湯が飛んでくる

迷惑な口の曲がったやかん


『雨乞橋』小西寛子

ふと呟いた声
あなたに届いていると
照れくさいから
背伸びして誤魔化す

少女の頃には
何も見えない
学校帰りの分かれ道
大人になって
もう一度 あの
さようならの場所を歩く

あなたの家は雨乞橋の向こう側
近くて遠い恋 心はここなのに
わたしの家は雨乞橋の一つ手前


『色えんぴつ』小西寛子

真面目一筋なんです
頑固者で融通が効かない
時もあります
人生の半分以上をあなたと
生きています
そういう年齢になりました

これまでは夏の人生
これからは秋の人生

絵が趣味なんです
いつも途中で終わりです
月日が経ち
思い出になる頃
あなたが続きを
描いてくれるために

これまでは秋の人生


『1945』小西寛子

妹背負う肩の紐
時たま汗で痒くなる
うなだれ顔を揺り起こす
手拭いで汗を拭く
バスを待つわたしの背中

窓越しに緑は続く
走っても走っても
背中の小さな寝息は風の歌
トンネルを7つ数え
丘の下の港町

いつの日かここを離れ
そしていつの日か帰る
バスを待つわたしを
懐かしく思い出す頃


『狭間』小西寛子

階段があれば
天国なんて近いものだ

滑り台があれば
地獄なんてすぐそこ

そう呟きながら
この世とあの世の隙間から
ふらふらと歩いてきた
2本までと強気で暖簾をくぐり
押しに押されて
弱くなる

階段があれば
天国はすぐ 滑り台があれば
地獄も 多分すぐ


『夕焼け荘』小西寛子

こんぶ入りのあなたの
おにぎりが食べたい 
塩味だけのあなたの
おにぎりも食べたい

薄暗い部屋の中で 
誰もいない部屋の中で
虚しさに押されて
今は泣くことしかできないから

こんぶ入りのあなたの
おにぎりが食べたい
子供の頃の僕を思い出し
誰もいない畳の上で


『分度器と三角定規』小西寛子

引き出しの奥の横の隅

使いそうで使わなくて
捨てられなくて
使わなそうで使いそうで
捨てられなくて

田舎に帰り鞄を置く学習机
そんなものがたくさん
詰め込んである

あの頃を思い出して涙が滲む
探しても見つからない集合写真
思い出の手がかりはどこにもなくて
あるのは分度器と三角定規


『コップの中の楽しい水』小西寛子

テーブルに顔をつけて横たわって
コップの中の楽しい水を眺めている
その先に見える焦げたものはホッケの尻尾
さっき食べたことを少し思い出す

昔話と武勇伝で盛り上がる隣の声
人は良いことばかり話したがる
しみじみしたら苦労自慢
今日も時だけが流れ 僕は

コップの中の楽しい水を眺めている



『こころの引き出し』小西寛子

3丁目と2丁目の角にあるはず
定食屋タエ
おばあさんが手拭いをしてネギを切る
調理場の四角い窓が額縁のよう
子供の頃はよじ登り
中学には窓越しの照れ笑いの僕

3丁目と2丁目の角にあるはず
定食屋のタエ
おとといは早足で通り過ぎ
今日は何気なく通り過ぎる

心にだけ残る青春 定食屋のタエ



『僕と雲と青空と』小西寛子

ソフトクリームのような形の雲
その横にはふっくらとしたクリームパン
大きなどんぶりにいっぱいのお米
上の方には父親が好きなビール瓶

色々な形の雲が通る
うとうと眠りにつく

見上げると夕食を作る母の姿と
横には笑顔の君がいる不思議
手を伸ばしても届きそうもない
ありがとうそして雲は過ぎる



『生きているから夢を見る』小西寛子

自分が一番強い姿は夢
大事な人をなくしてしまうのも夢
嬉しい誘いがあるのも夢
知らぬうちに泣いているのも夢
大空を羽ばたいているのも夢
あなたと手を繋ぐのも夢
再会をするのも夢

いつまでも覚めないでほしい夢
覚めてしまえば自分で歩くしかない



『どいつもコイツも』小西寛子

なんでもかんでも官邸団が来るぜ
税金ばかり上げやがって
気分はちっともあがりゃしねぇ
微々たる金で 単なる気分で
騒いでみたくなるのさ

なんでもかんでも官邸団が来るぜ
窮状ばかり叫んでやるぜ
心はちっとも動かねえ



『鉄筋入りのブロック塀』小西寛子

Hey    塀 塀 塀塀塀塀 (ご一緒に!)

ブロック塀 積み上げるぜ
となりのあいつも
むかつくあいつも
こっちへ来ないように
あっちが見えないように

コンクリートを流し込んで
俺のハードな ブロック塀
嫌いな奴には ブロック塀 Hey Hey



『緑の東京』小西寛子

緑の海原 広い大地
ここは都会の大自然
風が吹けば青葉も揺れる
風が吹けば気持ちも変わる
グリーンで行こう 燃やすのやめて
グリーンで行こう 屋根の上で
グリーンで行こう それがあなたの義務
風が吹けば 風まかせ



『立ち上げ太郎の唄』小西寛子

検討だけが 人生じゃないぜ
検討ばかりのあいつの口癖
立ち上がる俺は やってます
いつもどこでも やってます
あいつになんか負けないぜ
とにかく やってます
いつでも やってます



『ひとり旅』小西寛子

歩いているけど 風が吹いたり
大粒の雨にもあたる
時には犬に吠えられたりして
思うようには進めない僕の旅

歩いているけど あてもない
最初は何かを探すつもりでも
いつのまにかいつもの土手に
腰掛けて横になる僕の旅

草の上で目が覚めるまでが夢で
目が覚めたら旅の続き



『妹’HIroshima‘』小西寛子

瀬戸内の小島に カモメが渡る
渡し舟が 雲の速さで後を追う
そんな風景を見ながら 妹の笑顔を思い出す
ヒロシマは いつまでも青空



『湘南デジ太郎のうた』小西寛子

イカした波乗り野郎さ
荒波もくまなくブロックするぜ!
名前は聞かないでくれ!
俺は湘南デジ太郎!!

砂マジに靴下に
入る虹ヶ浜は
俺の家も近い
ああ湘南デジ太郎

高麗山が遠くに見える
念を押すけど「こまやま」って読むんだぜ!
涙もともに花水小 俺の母校
ああ湘南デジ太郎



『湘南電車』小西寛子

わたしが10代の頃揺られてた
オレンジと緑のツートンカラー
相模川の橋を渡る時も
窓越しに見える湘南の海

いつも乗り遅れてしまいそうで
暑い夏の日も風吹く冬も
自転車を走らせあの駅まで
わたしはひたすら走った

心地よい風が頬をすぎる
うたたねしそうなレールの音
覚えてますか湘南電車

*All music written by ©2022 Hiroko Konishi 詞集作品はすべて弊社小西寛子著作物であり、著作権によって保護されています。引用の際は引用先とクレジットの記載をお願いいたします。

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