この夏、あなたを深い優しさで包み込む。声優独特の柔らかな歌声を持つ小西寛子が贈るミニアルバム「遙カノ島」が、来る8月1日に発売予定。戦後80年を迎える日本の夏をテーマに、小西寛子自身が作詞作曲から演奏、レコーディングを手がけた全6曲のオリジナル楽曲が収録されています。
争いのない、けれど確かに存在する「いのち」の歌
「遙カノ島」に収められた楽曲は、どれもどこか懐かしく、しかしどこにもない風景をたどるような夢のような仕上がりです。そして、その歌の一つ一つに、何の装飾もない静かな祈り、そして小西寛子の人に対する深い敬意と優しさが溢れています。
例えば、収録曲の「みゆき橋」は、広島を舞台にしながらも、その悲劇を直接的に描写することはありません。爆音も瓦礫も、憎しみも・・・。すべてが静寂の中に溶け込んでいます。しかし、その沈黙の中には確かに「人」が存在し、「生きてきた証」が刻まれています。夕焼けに映る影、川面に揺れる光の欠片、そして誰かの足音…。それらは過去を嘆き悲しむためではなく、「これからの時間をどう歩むのか」を私たちに問いかけます。
「悲しくないわ、ただ少しだけ見つめていたい故郷(ふるさと)」という一節に込められた感情は、何かを批判したり、誰かを責めたりするものではありません。ただひたすらに、ひとりの人間としての“優しさ”を見つめる視線に満ちています。みゆき橋は、誰かを見送り、帰らない誰かを待ち続けた場所であり、そして今も、何も知らないふりをして歩く私たちを、優しく、しかし確かに見つめているのです。
また、アルバムタイトルにもなっている「遙島(はるしま)」は、沖縄のような架空の島を歌い上げます。他にも、旅人がたどり着いた街を描く「SODA WATER」、遠い街から故郷の日本を想う「港のバラッド」、そして1975年の若者たちに捧げる躍動感溢れる「1975」など、心に深く寄り添う楽曲が並びます。
語るより、聴くことで心に響く音楽
小西寛子の音楽には、「伝えたいこと」を押し付けるようなメッセージはありません。ただ、“本当の優しさ”とは何かを、聴く人の心の中にそっと残すだけ。それは、言葉で説明しすぎれば壊れてしまうような、繊細で尊いものです。
だからこそ、小西寛子の歌は、多くを語るよりも、静かに耳を傾けることで、その真価を発揮します。静けさの中にある優しさを信じて、そっと心を委ねてみたくなる・・・。それが、このミニアルバム「遙カノ島」なのです。
【アルバム概要】
- 港のバラッド (ニューバージョン)
- SODA WATER
- サンディロード (ニューバージョン)
- 1975 (ニューバージョン)
- みゆき橋
- 遙島(はるしま)
価格未定。お求めはiTunes Store等各ダウンロードサイトにて。