米AI企業Anthropicをめぐり、同社が「Project Panama」と呼ばれる計画の下で大量の書籍を購入し、裁断・スキャンしてAIモデルの訓練に利用していた問題が、改めて注目を集めている。報道では、Project Panama は「世界中の本を破壊的にスキャンする」ことを目指す計画として紹介され、油圧式切断機で背表紙を落とし、ページを高性能スキャナーにかけ、紙の原本を廃棄する手法が使われたとされている。
この問題の中心にあるのが、2025年6月の Bartz v. Anthropic 判決である。裁判所は、AnthropicがClaudeなどの大規模言語モデルを訓練するために書籍を利用したことについて、「極めてtransformative」な利用であるとしてフェアユースを認めた。また、購入した紙の本を裁断・スキャンし、紙本を廃棄してデジタルコピーに置き換えた行為についても、別の理由でフェアユースと判断した。
しかし、この判断は本当に妥当なのだろうか。私は、この判決は米国フェアユース法の既存ロジック内では一応成立しているとしても、著作権の本来目的、公共性、文化保存、そして私人企業による知的資源の独占的データ資本化という観点から、重大な制度的矛盾を露呈していると考える。
裁判所が見たもの──「1冊購入→1デジタル複製→紙本廃棄」という形式
まず、裁判所の論理を正確に確認する必要がある。
Bartz v. Anthropic の裁判所は、Anthropicが購入した紙の本について、「紙の本を1冊購入し、それをデジタルコピー1部に置き換え、紙本を廃棄した」という形式を重視した。判決は、これを「より便利で、省スペースで、検索可能なデジタルコピーへの置換」と捉え、追加のコピーを作って外部に再配布したものではないと評価している。
裁判所は、Anthropicが購入した印刷本について、サービス業者が本の綴じを外し、ページを裁断し、デジタル形式でスキャンし、紙の原本を廃棄した事実を認定している。各紙本は、スキャン画像と機械可読テキストを含むPDFに変換された。
ここで裁判所が採った見方は、かなり形式的である。
つまり、裁判所は「1冊の紙本が1つのデジタルファイルに置き換わっただけであり、外部販売も共有もされていない」という点を重視した。判決は、購入本のデジタル化について、保存性・検索性・省スペース性を高める媒体変換として捉えたのである。
このロジックだけを見れば、米国フェアユース法の既存枠内では理解できる。17 U.S.C. §107 は、利用目的、著作物の性質、使用量、市場への影響という4要素を総合考慮する制度であり、営利利用だから直ちにフェアユースが否定されるわけではない。米国著作権局も、商業利用か非営利教育利用かは考慮要素ではあるが、それだけで結論が決まるわけではないと説明している。
しかし実態は「保存」ではなく、商業AI資本への変換である
問題は、裁判所が形式として見た「媒体移行」と、実態として起きている「知的資源の資本化」との間に大きなズレがあることだ。
Anthropicが作ったものは、公共図書館のデジタルアーカイブではない。学術機関が研究者や市民に開く保存用データベースでもない。裁判資料によれば、Anthropicは書籍群を自社の中央ライブラリ、あるいは「generalized data area」として構築し、研究や製品改善のために使った。さらに、書籍データはデータミックスの改善、LLM訓練、最終的にはClaudeの有料顧客向け性能向上に結びつけられていた。
つまり、このデジタル蔵書は単なる保存用資料ではない。それはAnthropicの商業AIモデル、研究資産、データ資本、そして将来収益の基盤である。
ここに、判決の最も大きな盲点がある。——裁判所は「紙本1冊がデジタル1部に置き換わった」というコピー数の形式を重視した。しかし、そのデジタルファイルが置かれた環境は、公共アクセスのための保存庫ではなく、私企業の非公開AI訓練インフラである。紙の本は市場や古書流通から消え、その内容は企業内部の検索可能・再利用可能なデータ資産に変換される。これは文化保存というより、知の私的囲い込みに近い。
「フェアユース」は万能の免罪符ではない
この事件では、海賊版書籍の扱いについては裁判所もAnthropicに厳しい判断を示した。判決は、AnthropicがLibGenやPirate Library Mirrorなどから700万冊超の海賊版コピーを取得し、中央ライブラリに保持していたことを認定している。裁判所は、海賊版コピーを中央ライブラリとして保持する行為について、フェアユースでは正当化できないと判断した。
その後、Anthropicは著者らとの間で15億ドル規模の和解に至り、2026年7月には裁判所が最終承認したと報じられている。この和解は、米国著作権事件として極めて大きな規模のものとされる。
しかし、ここで錯覚してはならない。
海賊版部分で巨額和解が成立したことと、購入本の破壊的スキャンがフェアユースとされたことは、別の問題である。むしろ、問題の本質は、違法に取得したデータについては責任が問われた一方で、合法的に購入した本であれば、それを大量に破壊し、非公開の商業AI訓練資本へ変換することが、かなり広く認められ得るという点にある。
これは単なる「著作権侵害か否か」の問題を超えている。——著作物が、公共的な文化財としてではなく、AI企業の内部資産として吸収されていく構造そのものが問われている。
Google BooksやHathiTrustとは何が違うのか
この判決を擁護する側は、Google Books や HathiTrust など、過去の書籍デジタル化判例を引き合いに出すことが多い。実際、Google Books 事件では、検索機能や限定的なスニペット表示がtransformative useとされ、フェアユースが認められた。HathiTrust でも、全文検索や視覚障害者向けアクセスなど、限定された公共的・研究的目的が重視された。
しかし、Anthropicのケースは同じではない。——Google Books や HathiTrust の中心には、検索、発見、アクセシビリティ、図書館的保存という公共的側面があった。これに対し、Anthropicの中央ライブラリは、外部に開かれた知識基盤ではなく、自社モデルの訓練・研究・製品性能改善のための閉じたデータ基盤である。
ここで問題になるのは、単に「デジタル化したか」ではない。——誰が、何のために、どのようなアクセス条件で、どのような利益構造の中でデジタル化したのかである。
公共図書館が希少資料を保存するためにデジタル化する場合と、私企業が商業AIモデルを改善するために古書市場から大量の本を吸い上げ、破壊的にスキャンし、非公開データ資本に変換する場合を、同じ「形式変換」として処理してよいのか。ここに、フェアユース法理の限界がある。
日本で同じことが起きた場合──問題は「フェアユース」ではなく著作権法30条の4に移る
この問題を日本で考える場合、米国の「フェアユース」と同じ言葉で整理することはできない。日本法には、米国型の一般的なフェアユース規定は存在しない。2018年改正で柔軟な権利制限規定は整備されたが、文化庁自身も、米国型フェアユースをそのまま導入するのではなく、明確性と柔軟性のバランスを取った複数の規定を整備したと説明している。
したがって、日本でAnthropic型の「大量購入→裁断→スキャン→AI学習」が行われた場合、中心になるのはフェアユースではなく、主に著作権法30条の4である。同条は、著作物に表現された思想又は感情を人が享受する目的ではない利用、たとえば情報解析やAI開発のための学習用データとして著作物をデータベースに記録する行為について、一定の範囲で権利者の許諾なく行えるものとして整備された。文化庁も、AI開発のための学習用データとして著作物をデータベースに記録する行為が、30条の4により許諾なく行える場合があると説明している。
しかし、ここで重要なのは、日本法でも「AI学習なら何でも自由」ではないという点である。30条の4は、著作物の表現を享受する目的がある場合には適用されない。また、主たる目的が情報解析であっても、著作物の表現を享受する目的が併存する場合には適用されないと整理されている。さらに、著作権者の利益を不当に害する場合にも、30条の4は適用されない。文化庁の資料では、情報解析用に販売されているデータベースの著作物をAI学習目的で複製する場合などが、その例として示されている。
このため、日本で同様の破壊的スキャンが行われた場合、法的争点は少なくとも三つに分かれる。
第一に、紙の本を買ったことは、複製の自由を意味しない。
本を購入した者は、その物理的な本を所有し、売却・廃棄することはできる。しかし、紙本を裁断してデジタルコピーを作る行為は、著作権法上は複製に当たる。個人が家庭内で読むために行う「自炊」と、企業が大量の書籍をデジタル化してAI訓練コーパスに組み込む行為は、同じではない。日本の私的複製規定は「個人的又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲」での利用を対象にするものであり、企業の商業AI開発にそのまま使える規定ではない。
第二に、AI学習目的であれば30条の4に乗る可能性はあるが、限界がある。
企業が紙本をスキャンし、そのデータを人間が読むためではなく、言語特徴・構造・統計的関係を抽出する情報解析に使うだけであれば、30条の4の範囲に入る可能性はある。しかし、そのデジタル蔵書が社内で閲覧・検索・参照される「便利な電子図書館」としても機能している場合、あるいは特定作品の表現を再現・類似生成させる目的で追加学習やRAGに用いられる場合、享受目的の併存や権利者利益の不当侵害が問題になる。文化庁資料も、意図的な過学習によって学習データである著作物の類似物を生成させる目的の収集や、既存著作物の創作的表現を出力させる目的の一部RAG用データ収集について、30条の4が適用されない場合があると整理している。
第三に、「文化保存」と「私企業の非公開データ資本化」は、日本法上も分けて考える必要がある。
日本には、国立国会図書館による絶版等資料のデジタル化・送信制度がある。これは、絶版等で入手困難な資料について、著作権法31条の枠組みや関係者協議の合意に基づいて、図書館や個人利用者に限定的に提供する公共的制度である。国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスは、入手困難資料の利用可能性を高めるための制度として運用されている。
これに対して、AI企業が古書市場から大量の本を買い集め、裁断し、非公開の訓練データに変換する場合、その目的は公共アクセスではない。国民の文化的利用機会を広げるためのデジタル化ではなく、自社モデルの性能向上、製品競争力、将来収益のためのデータ資本化である。ここを「情報解析だから合法」とだけ処理すると、日本の著作権法の目的である「著作者等の権利の保護」と「文化の発展」の均衡が崩れる。著作権法1条は、著作者等の権利を保護しつつ、文化的所産の公正な利用に留意し、文化の発展に寄与することを目的としている。
つまり、日本でこの問題が起きた場合、米国のように「フェアユースか否か」とはならない。争点は、30条の4の情報解析例外が、どこまで私企業の商業AI訓練資本化を許すのか、そして大量の紙本破壊と非公開コーパス化が、著作権者の利益を不当に害する場合に当たらないのかに移る。
特に問題になるのは、紙本が単にデータ化されるだけでなく、市場から消える点である。日本の著作権法は、物理的な本そのものの文化的喪失を直接評価する制度ではない。しかし、絶版本、専門書、少部数刊行物、研究資料、地域出版物、同人誌、翻訳書などが大量に買い集められ、裁断され、企業内部のAI訓練データに変換されるなら、それは単なる「複製」の問題ではなく、文化流通・古書市場・研究アクセス・出版エコシステムの問題になる。
日本ではむしろ、米国以上にこの論点を正面から議論すべきである。——なぜなら、日本の30条の4はAI学習に広い余地を与える一方で、その限界である「享受目的の併存」や「著作権者の利益を不当に害する場合」の解釈が、今後の実務と訴訟で大きな意味を持つからである。形式的に「情報解析である」と言えば済むのではない。問題は、その情報解析が、公共的な文化保存なのか、私企業による知的資源の囲い込みなのかである。
日本の記事としてこの事件を見るなら、結論は明確である。——Anthropic型の破壊的スキャン問題は、米国ではフェアユースの限界を、日本では著作権法30条の4の限界を露呈させる。どちらの国でも共通しているのは、形式的な法律論だけでは、文化的損失、著作者への還元、公共アクセス、そして非公開AI資本への知の吸収を十分に評価できないという点である。
法的課題は著作権だけではない
この問題には、少なくとも以下の法的課題が重なっている。
第一に、商業利用とtransformative useの衝突である。
裁判所は、Anthropicが商業企業であり利益を得ていることを認めつつ、それだけではフェアユースを否定しないとした。これは米国法の枠組みとしては理解できる。しかし、商業AIモデルの性能向上という目的が、単なる内部保存や検索性向上と同列に扱われてよいのかは疑問である。
第二に、ファーストセールドクトリンと複製権の境界である。
紙の本を買った者は、その物理的な本を処分できる。しかし、購入した紙本をデジタルコピーに変換することは、単なる所有物の処分ではなく、著作権法上の複製行為を含む。裁判所はこの点をフェアユースで処理したが、「所有しているからデジタル化してよい」という一般原則があるわけではない。
第三に、市場影響の過小評価である。
裁判所は、Claudeの出力が原告作品の正確なコピーや明確な代替物として提示された事実はないと見た。しかし、AIモデルが既存の書籍市場、執筆市場、翻訳市場、要約市場、教育市場に及ぼす影響は、単純な「同一コピーの代替」だけでは測れない。2026年のプレプリント研究では、AI生成書籍がAmazon上の自己出版ジャンル市場で商業的規模を持ち、既存作品の市場位置を圧迫し得ることが報告されている。これは、フェアユース第4要素である「潜在市場または価値への影響」を再検討させる論点である。
第四に、訓練ライセンス市場の破壊または形成である。
AI訓練用ライセンス市場が成立しつつあるなら、企業が「買った紙本をスキャンしただけ」として訓練利用を回避できることは、著作者・出版社が本来得られるはずの新しい市場を奪う可能性がある。Bartz和解をめぐる法学的分析でも、AI訓練ライセンス市場やフェアユース第4要素との関係が重要な論点として扱われている。
第五に、文化保存と文化破壊の区別である。
裁断スキャンは、情報だけを残し、物体としての本を失わせる。もちろん、多くの市販本については同一タイトルが他にも存在する。しかし、古書には書き込み、蔵書印、版、紙質、装丁、流通履歴といった文化的情報が含まれる場合がある。著作権法は主に表現の複製・頒布を扱う制度であり、物理本の文化的喪失を十分に評価する制度ではない。
第六に、希少本・絶版本・古書市場への影響である。
AI企業や仲介業者が大量に古書を買い集めれば、市場に残る在庫、価格、研究者や読者のアクセスに影響し得る。報道では、AI企業向けに古書や専門書を大量調達するサービスが存在し、AI企業の匿名調達や大量発注が行われているとされる。
第七に、非公開データ資本と監査不能性である。
私企業の訓練コーパスは通常、企業秘密として扱われる。すると、どの本が取り込まれ、どのように使われ、どのモデルに影響し、将来どのような出力や製品価値を生むのかを、著作者・読者・公共機関が検証しにくい。これは、FCL-Sでいう「証拠連続性」と「出所負債」の問題でもある。
第八に、AI開発競争と公共利益の逆転である。
「AI開発に必要だから」という理由で、文化資源の大量吸収が正当化されるなら、公共利益は企業の技術競争に従属する。著作権の本来目的は、単に産業効率を最大化することではなく、創作のインセンティブと文化の発展を支えることである。
形式的合法性が、公共的損失を消すわけではない
ここで重要なのは、「フェアユースと判断されたから問題はない」という理解を避けることである。——フェアユースは、著作権侵害訴訟における抗弁であり、社会的・文化的に望ましい行為であることを全面的に保証する制度ではない。米国著作権法上、商業利用でもフェアユースが成立し得る。しかし、そのことは、私企業が人類の出版物を大量に吸収し、紙本を破壊し、非公開の訓練資本に変換する行為が、公共的に正当であることを意味しない。
法はしばしば、ある技術的形式を処理するために作られている。——しかしAIは、その形式の隙間を突いて、文化資源をデータ資本へ変換する。この事件で裁判所は、「1冊購入→1デジタル複製→紙本廃棄」という形式を重視した。しかし実態としては、「公共市場に存在した本→企業内部の検索可能データ→LLM訓練資本→商業サービスの競争力」という変換が起きている。ここを見落とせば、フェアユースは文化保護の制度ではなく、巨大AI企業による知の囲い込みを支える抜け道になってしまう。
上級審・立法・公共訴訟で見直されるべき論点
この判決は、今後もそのまま固定されるべきではない。——上級審、立法、あるいは公共性を正面から問う訴訟で、少なくとも以下の点は再検討されるべきである。
まず、破壊的スキャンを単なる媒体変換と見るのか、それとも商業AI資本形成の一工程と見るのか。次に、非公開AI訓練コーパスへの変換を、公共図書館型の保存と同一視してよいのか。さらに、AI生成物による市場希釈、訓練ライセンス市場の逸失、著者の将来収益への影響を、既存の第4要素分析で十分に捉えられるのか。
また、希少本や絶版本を大量に買い集めて破壊する行為について、著作権法だけでなく、文化財保護、図書館政策、競争法、消費者保護、企業の説明責任、データガバナンスの観点からも検討する必要がある。
AI企業は「情報を保存している」と言うかもしれない。しかし、公共に開かれない保存は、保存ではなく占有である。著作者に還元されない学習は、学習ではなく収奪に近づく。文化を共有せずに吸収するだけなら、それは知の発展ではなく、知の囲い込みである。
結論──フェアユースの形式論では、文化の喪失を測れない
AnthropicのProject Panama問題は、単なる著作権訴訟ではない。これは、AI時代において「本」とは何か、「知識」とは誰のものか、「文化保存」と「企業のデータ資本化」はどこで分かれるのかを問う事件である。
Bartz v. Anthropic 判決は、米国フェアユース法の既存ロジック内では一応成立している。しかし、そのロジックは「コピー数」「媒体変換」「外部再配布の有無」に寄りすぎており、私企業が出版文化を大量に吸収し、非公開の訓練資本へ変換するという実態を十分に評価していない。
錯覚してはいけない。これは単なる技術革新ではない。これは、文化がデータ化され、データが企業資本化され、資本化された知が公共から見えなくなる過程である。
フェアユースの形式論だけで、文化や著作権法の本来目的をクリアしたことにしてしまうのは危険である。AI研究者、そして企業法務の視点から見ても、この問題は「合法か違法か」だけで終わらせてはならない。問うべきなのは、私企業が人類の出版物をどこまで吸収し、どこまで非公開の訓練資本に変えてよいのか、そしてその損失を誰が、どの制度で評価するのかである。
資料・出典
一次資料・法令
- Bartz et al. v. Anthropic PBC, Order on Fair Use, U.S. District Court, Northern District of California, June 23, 2025
AnthropicによるLLM訓練利用、購入本の裁断・スキャン・紙本廃棄、海賊版由来コピーの扱いに関する中心資料。 - 17 U.S.C. §107 — Limitations on exclusive rights: Fair use
米国著作権法におけるフェアユースの4要素、すなわち利用目的・著作物の性質・使用量・市場影響を定める条文。 - U.S. Copyright Office, Fair Use Index / Fair Use Overview
フェアユースが事案ごとの総合判断であり、商業利用か非営利利用かだけで結論が決まらないことを確認するための公的資料。
関連判例・比較資料
- Authors Guild v. Google, Inc.
Google Booksにおける書籍スキャン、全文検索、限定的スニペット表示がフェアユースとされた事例。本記事では、公共的検索・発見機能と、非公開AI訓練コーパスとの違いを比較するために参照。 - Authors Guild, Inc. v. HathiTrust
HathiTrustによる全文検索データベース、障害者アクセス、図書館・学術的保存目的がフェアユースとされた事例。本記事では、図書館的保存と私企業の非公開訓練資本化を区別するために参照。
報道資料
- The Washington Post, “Inside an AI Start-Up’s Plan to Scan and Dispose of Millions of Books”
Anthropicの「Project Panama」、大量の物理本購入、破壊的スキャン、裁判資料から明らかになった内部計画に関する主要報道。 - Reuters, “US judge approves Anthropic’s $1.5 billion settlement of copyright lawsuit”
Anthropicと著者側の15億ドル規模の著作権和解が最終承認されたことに関する報道。 - Associated Press, “Judge approves a $1.5B Anthropic settlement over pirated books used to train the Claude chatbot”
和解の規模、対象書籍、海賊版書籍利用問題の整理に関する補助資料。
分析・研究資料
- Chanhou Lou, “Develop-Fair Use for Artificial Intelligence: A Sino-U.S. Copyright Law Comparison Based on the Ultraman, Bartz v. Anthropic, and Kadrey v. Meta Cases”
AI訓練とフェアユース、特に市場影響・訓練ライセンス市場・AI産業と出版産業の競合を検討する補助的研究資料。 - Chanhou Lou, “Representative Litigation Settlement Agreements in Artificial Intelligence Copyright Infringement Disputes”
Bartz事件の和解を、AI訓練ライセンス市場形成や代表訴訟の観点から分析する補助資料。
日本法・日本でのAI学習利用に関する資料
- 文化庁「AIと著作権について」
令和6年3月に取りまとめられた「AIと著作権に関する考え方について」および関連資料を掲載。日本でAI学習と著作権法30条の4を考える際の中心的な公的資料。 - 文化庁「著作権法の一部を改正する法律(平成30年法律第30号)について」
2018年改正により、AI開発のための学習用データとして著作物をデータベースに記録する行為など、思想又は感情の享受を目的としない利用に関する柔軟な権利制限規定が整備されたことを説明。 - 文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について(概要)」
30条の4が適用されない場合、すなわち享受目的が併存する場合、著作権者の利益を不当に害する場合、特定作品の類似物生成を目的とする学習や一部RAG利用などの整理に関する資料。 - 国立国会図書館「図書館向けデジタル化資料送信サービス」
絶版等で入手困難な資料について、著作権法31条等に基づき、公共図書館・大学図書館等に限定送信する制度。公共的保存・アクセスと私企業の非公開訓練コーパス化を比較するための資料。 - 国立国会図書館「個人向けデジタル化資料送信サービス」
入手困難資料を個人利用者の端末で閲覧できる制度。公共目的のデジタル化と、企業内部の閉じたAI訓練資本化との違いを示す比較資料。
FCL-S監査・前提検証に用いた資料
- Hiroko Konishi, FCL-S V6.0-3 / V7 Command Layer Draft, 2026
本記事では、証拠連続性、出所負債、未検証前提からのコミットメント停止、監査可能性の観点を整理するための監査フレームとして参照。 - Hiroko Konishi, “Premise Integrity Blindness: The Discovery of a Structural Failure Mode in Large Language Models,” 2026
形式的には成立する推論が、現実の制度・運用・公共性へ移る段階で前提を再検証しない危険を整理するために参照。
